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食物繊維は腸内細菌のため

2019年08月22日|REPORT

食物繊維が体に良いというイメージをお持ちだと思いますが、
なぜ食物繊維を摂ることが体に良いのかご存じでしょうか?
まず便通が良くなるというのは有名ですね。
しかし、食物繊維にはまだまだ重要な役割があるのです。

 

結論から言うと、食物繊維を摂るのは短鎖脂肪酸を作るためです。

 

では短鎖脂肪酸とは何でしょうか。

私たちが食事をし、食べ物が胃を通過して腸に入ると、腸内細菌が分解して作る物質です。
短鎖脂肪酸は他の栄養分と共に腸から吸収され、血液へと入り、全身へ運ばれます。

 

この全身へ運ばれた短鎖脂肪酸が、他の細胞などに働きかけて様々な効果をもたらします。

 

それでは3つの短鎖脂肪酸がしてくれる働きを説明します。

 
 

1.脂肪細胞への働き

脂肪細胞とは、その名の通り脂肪を蓄える細胞です。

この脂肪細胞には短鎖脂肪酸に対するセンサー(受容体)があります。
血液から全身へ運ばれた短鎖脂肪酸が脂肪細胞にたどり着き、
それを感知すると栄養の取り込みをやめます。
つまり、過剰に脂肪がたまるのを防いでくれます。
脂肪の吸収・蓄積を短鎖脂肪酸が抑制してくれるというワケですね。

 

2.交感神経への働き

交感神経とは、活動をするときに働く神経です。
この交感神経にも短鎖脂肪酸に対するセンサーがあります。
短鎖脂肪酸を感知すると、
心拍数の増加、体温上昇、あまった栄養分を燃やして消費するなど、代謝が活性化します。
脂肪を燃焼するのにも関係します。

 

3.糖尿病の改善

糖尿病とは、インスリンの働きが十分ではなく、高血糖値が続いてしまう状態です。
短鎖脂肪酸は腸の細胞を刺激し、
インクレチンと呼ばれるホルモンを分泌させる働きがあります。
インクレチンは膵臓に働きかけてインスリン分泌を促す作用があり、
糖尿病の治療薬にも使用されています。
糖の代謝を促す力があるという事です。

 
 

今日は、短鎖脂肪酸の3つの働きをご説明しました。

1.脂肪細胞への働き

2.交感神経への働き

3.糖尿病の改善

 

このように短鎖脂肪酸は重要な働きをしています。

おさらいになりますが、短鎖脂肪酸を作るために必要な物は何でしょうか。

 

それが、食物繊維です。短鎖脂肪酸を作り出す細菌は食物繊維をエサとしています。
そのため食物繊維の少ない食事をしていると、短鎖脂肪酸が作られなくなり、
脂肪を過剰に取り込んで太りやすくなってしまうなど、体への影響が出てしまいます。

 

短鎖脂肪酸を作り出すためにも、食物繊維を積極的に取り入れる必要があります。

 

この関係を覚えておきましょう!

「食物繊維 → 腸内細菌 → 短鎖脂肪酸 → 健康」

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