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太った人、痩せた人の腸内細菌②

2019年09月19日|REPORT

皆さん、腸子どうですか?え?腸元気?いいですねぇ。

 

さて1回目では、バク門の細菌とフィル門の細菌の存在量の違いによって、腸内でのカロリーの吸収率が変わってくる、というお話しをしました。

 

軽いおさらい これはここだけでの略称です。

バクテロイデーデス門 → バク門

フィルミクテス門 → フィル門

 

そこで2回目の今回は、アッカーマンシア・ムシニフィラという細菌についてお話したいと思います。

 

今回も名前が長くてややこしいですね。

そこで、こうします。

 

アッカーマンシア・ムシニフィラ → アッカーマン

 

おそらく某漫画を読んでいる方はすでに頭をよぎっていたと思われます。私もその一人です。というわけで、今回はアッカーマンの略称でいきたいと思います。漫画を読んでない方はごめんなさい。

 

このアッカーマンは、腸壁を覆う厚い粘液層の表面に住んでいる細菌です。腸壁の粘膜を分泌し粘液層を厚くすることによって、脂肪細胞を炎症させるなど、太る原因となるリポ多糖が血液に入り込むのを防いでいます。

 

つまり、アッカーマンは太る原因であるリポ多糖が、腸壁から血液へ入り込むのを防ごうとするワケです。

 

わかりましたか?

 

アッカーマンは必死に守っているのです、腸壁の際で。

リポ多糖という、我々を太らせる奇行をする種類から。

心の臓を捧げるに値しますね。

 

痩せた人の腸内にはアッカーマンが多く、太った人にはほとんどいません。

 

マウスの実験では、高脂肪な餌を食べた時のマウスの腸内ではアッカーマンが減ったそうです。しかしその後、食物繊維を与えたマウスはアッカーマンがまた増えて、健全な量に戻ったそうです。

 

食物繊維を食べれば、腸の中で、アッカーマン達が無双してくれる。

アッカーマンが何としてくれる…。

そう考えると、食べることが楽しみになりませんか、ね?

 

最後に、今回の「リポ多糖」と前回の「フィル門」。太る、痩せる、という視点で見ると、太る原因だし、自分の体からいなくなってほしい!と思ってしまいます。

 

でも、彼らもいて良いのです。

 

「リポ多糖」は免疫細胞を活性化させてくれます。

 

「フィル門」は脂肪を体内に溜めて飢餓を防ぐという働きをしています。(現代ではあまりないですが)

 

よく善玉菌や悪玉菌という言葉を耳にしますが、文字通り単純に善と悪に分かれているわけではありません。悪玉菌の中にも体に良い菌がいたり、善玉菌の中にも悪さをする菌がいたり。

 

味方だと思っていた人が、実は黒幕だったり、悪い人だと思っていたら、本当は人の為に戦っていたり。一緒ですね。

 

そう、大切なのは、「バランス」と「多様性」です。

 

バランスの良い腸内細菌、バランスの良い食事。わかっているけどなかなか難しいですよね。でも皆さんも何とかしたいと思っているから、きっとここまで読んでくださったのですよね?

 

とりあえず、まず一歩。意識的に食物繊維を普段の食事に足す。

ここから始めてみませんか?

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